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大名庭園を未来につなぐための取り組みを応援しています。


わたしたちが長年支援してきた公益財団法人 中津万象園保勝会の活動を紹介するケースステートメントが、HPからもダウンロードできるようになりました。
▼こちらから全文をご覧になれます。
http://www.bansyouen.com/pdf/report.pdf


荒れていた大名庭園が修復され、一般に公開したのは約40年前のこと。

当時、社業伸展にひたすら邁進していた私たちに、「企業は得た利益を地域に還元しなければならない」、「文化を知らないことは寂しいことだ」と、地元出身の田村実造先生(元京都大学名誉教授、京都女子大学学長)が教えてくれたことが、中津万象園の維持保全に取り組む契機となったそうです。

以来、「地域の文化を守るのは、企業の役割だ。」と誇りをもって活動してきました。そして、もう、荒れていた年月を思い出せないほど、長い時間が過ぎました。

今の中津万象園は、美しく手入れをされています。しかし、実はぎりぎりの状態でなんとか踏ん張っているのが現状です。常に手入れを必要とする『生き物』である庭園は莫大な管理費用を要し、何かささいなきっかけでも、いつ荒れてしまうか分かりません。もし一本でもマツクイムシがつけば、あっという間に園は壊滅状態に陥るでしょう。それを支えているのは、園をずっと見続けてきた、たった数人の庭師の経験と知識、そしてまだまだ少数の賛助会員などの皆さまです。

中津万象園の魅力を見つけ、語り広めてくださる人は、少しずつ増えてきてはいます。でも、支援の輪、支えてくれる手は、多いほどいい。そのことにこれからはしっかりと向き合い、この場所を大切だと思う人を一人でも増やすために、私たちは語り続けなければいけない。そうしなければ、こんなに手間と費用がかかるお庭ですから、またもと通りに荒れてしまうかもしれません。


経済の状況がどうなっても、「生き物」であるお庭の木々は伸び続けます。2020年から続く新型コロナウィルス感染症の影響で、多くの人たちが大きな打撃を受けました。私たちも同様で、最もお庭の輝く季節である春にほとんど入園者を迎えることができず、非常に苦しい年を過ごしました。
「そんな今の状況で、『文化を守る』って優先度は高いの?」というかたもいらっしゃるかもしれません。ただ、私たちは思うのです。文化は、贅沢品でも嗜好品でもない。いわば、私たちの根っこのようなもの。そして、一度なくしてしまえば、二度と元通りには取り戻せないもの。文化の喪失は、私たちの精神を長い時間かけて蝕んでいくものではないでしょうか。

厳しい情勢の中で、経営の安定を図るためにあらゆる努力を地道に続けながらも、ここを守ることを放棄するわけにはいきません。手入れを諦めてしまえば、あっという間に荒廃してしまうからです。

私たちはこれからも、この場所を、地域の皆さまから「宝物」だと思ってもらえるように、しっかりと育てていきます。それは、庭を知り尽くした私たちの責務です。
どうぞ、ひとりでも多くの皆さまに、応援していただけますよう、よろしくお願いいたします。
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▼趣旨にご賛同いただけるかたは、ぜひ賛助会にご入会ください。
http://www.bansyouen.com/sanjokaiin/


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